大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(オ)59 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人代理人宮沢武七の上告理由について。

論旨一、二、四、六はいずれも賃借人たる被上告人の夫Dと前家屋所有者たる賃

貸人Eとの間に、その賃貸借の合意解約は存在せずとの原審の事実認定にそわず、

合意解約が存在したことを前提として原審の判断を非難するもので採るに足りない。

論旨三、五も同様貸借の解約の存在を前提とし賃貸借解約の場合賃借権自体が消

滅するからDの居住の利益だけが消滅し賃借権は存続する理由はない旨主張するが、

これまた原判示にそわない非難であつて採ることができない。原審における当事者

間に争なき事実と原判決挙示の証拠によれば、本件賃貸借もDのみでなく家族各員

のためのものであり、判示のような状態の下でなされた「賃貸借の解約」は判示の

ような特別の合意であると認められないことはない。原判決には証拠の解釈等に関

し違法ありというを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

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